※税理士の山口雄一郎は2023年6月29日、税理士法人ファリスを退任し独立開業しました。
税理士の資格を取得するには、税理士試験の必須科目2科目と選択必須科目1科目、選択科目2科目の合計5科目に合格なければなりません。全受験者のなかで上位10%になると合格と言われていますので、かなり難関の試験です。
しかし、合格した科目は税理士になるまで有効なので、働きながら長い期間をかけて受験する人も多い国家資格です。
今回は、当事務所で勉強しながら税理士試験に合格した税理士の山口雄一郎と、試験勉強に集中するためにこの事務所に入ったスタッフの部谷俊輔に試験勉強について、仕事について聞きました。

事務所で勉強?自宅で勉強?


__部谷さんは別の税理士事務所でも働いていたんですよね。

部谷:はい。前の事務所では4年間働いていました。この事務所は半年です。半年の間に事務所のカラーの違いにも慣れ、勉強時間も確保できるようになってきました。

仕事内容や会計ソフトは前の事務所と一緒だったので、仕事を覚えるのは早かったと思います。残業をしないで帰宅し、勉強時間に充てることができています。前の事務所は残業が多く、仕事が終わってから家に帰っても疲れて寝るだけでした。

山口:前の事務所のときは通勤時間もかかっていたんですよね?

部谷:はい。前の事務所のときは電車で1時間半くらいでした。なので、夜も10時に仕事が終わって11時半に帰宅ということが多かったです。

山口:この事務所は20分くらい?

部谷:そうです。通勤が朝のウォーキングの時間になっています。

_山口さんはどのような経緯で税理士試験に合格したのですか?

山口:当初はフルタイムでは働かずに税理士試験の勉強を中心にしていました。4科目合格してから吉井税理士事務所(*税理士法人ファリスの前身)に入社して、のこり1科目を勉強しました。伸びている事務所でもあったし、フレックスタイム制度があったので有効に使えそうだなと思ったのがきっかけです。

フレックスタイム制度は、自分で働く時間が決められるので、途中で長い休憩を入れることもできます。そこを有効活用して長い昼休みをはさむようにし、勉強は、朝2時間、昼2時間、夜3時間していました。5月、6月、7月と、3か月これをやれば受かります(笑)
夜も、家だと誘惑が多いので、帰らないで事務所で勉強していましたね。

_部谷さんも、事務所で勉強することはありますか?

部谷:僕の場合は、早めに家に帰って勉強しています。朝、30分から1時間、昼は携帯にコピーしたテキストをぶつぶつ読みながら食事をとり、夜は家に帰って家事をしながらその合間に3〜4時間勉強しています。朝と昼は、理論の確認をし、夜に集中して総合問題を解くようにしています。
家事しながら、例えば、炒め物しながら、ブツブツ理論を唱えるなんてこともしていますね。吉井代表は、車を運転しながらテープを聴いていたと言っていました。山口さんはどうでしたか?

山口:音読はせずに、ひたすら書くだけでしたね。

部谷:痛くなりませんか?

山口:痛くなる。それでも書く(笑)

__勉強方法は人それぞれなんですね。

山口:そうですね。それぞれ違いますね。方法は色々だと思いますが、とにかく勉強に沢山の時間をかける点は共通していると思います。

先輩からのアドバイス

部谷:山口さんは、どの科目が一番難しかったですか?

山口:「簿記論」ですかね?「簿記論」と「消費税法」は3年かかったので。最初の1科目が受かるまでが一番辛かった。最初の1科目受かってしまえば、2科目、3科目目と合格していくうちに確信や自信に繋がっていく。部谷さんはTAC(専門学校の名称)?TACの問題をきっちり解いていれば大丈夫だよ。TACで上位にいけば、本番も受かるはず。

部谷:そうですよね。

山口:あとは理論をどれだけ頭に入れる。試験は8月の第一週で暑い時期だから暑さに負けないようにもしておきたいですよね。

部谷:模試の結果などはどうでしたか?

山口:いつも6月ぐらいまでは全然駄目だった。上位40%いくかいかないか。ほんとうに残り2か月くらいで追い抜くイメージ。理論は早く覚えても忘れちゃうので、残り2か月でどんどん回して覚えていく感じですね。 書けるようになってくると回る回転数も全然ちがうので。

(*「回す」とは問題を一通り解くことです。問題を全部解いたら1回転です。)

ほんと、6月くらいまでの成績は全く気にしなくてもいいくらい。かえって前から成績良かったりするとプレッシャーで駄目になってしまうこともある。「簿記論」の3回目は、最初から上位だったのでプレッシャーで辛かった。

部谷:2回目、3回目の人は、最初上位でも、最後に抜かされることもある。大学受験の現役生と浪人生のような感じですよね。

山口:そう。残り1か月くらいでグンと伸びるから。

__何年間も勉強すると思うのですが、モチベーションが保てるか不安ではありませんか?

山口:試験勉強と言っても一年中している訳ではないんです。8月の試験が終わって、12月に発表があるので、リスタートは1月から。でも、1月から3月は税理士事務所が一番忙しい時期なのであまり勉強はしません。実際に始めるのは4月からで5月、6月、7月の3か月集中して勉強するのが一般的な年間スケジュールです。その3か月の間に他の欲求を断っていかに勉強時間に費やせるかです。

部谷:8月の試験が終わったら、沢山遊んで、いちどリセットしたいな。

山口:あんまり、頭の良さは関係のない試験なんですよね。どれだけ勉強したか。競争試験で上位が受かるものだから、「自分が解けなかったら他の人も解けないはず」って言えるくらい勉強していていれば受かります。

部谷:正確性とケアレスミスのなさが大切ですよね。

山口:それって仕事にも通じるんですよね。2時間の試験で全問は解けない。だから、重要なもの、解けるものをチョイスして、そこを確実に解くかです。
仕事も、確かに時間をかければ完璧にはできるかもしれないけど、そんなに時間をかけていたらコストパフォーマンスが悪い。短い時間で問題点を見つけたり、重要な点だけをおさえて仕事をしたり……。税法などの直接的に役立つ知識だけでなくそういう部分も役に立っています。

税理士試験に合格したら?

__税理士試験に合格したあと、部谷さんのキャリアイメージは?

部谷:税理士になったときのキャリアは、2パターンあって、一つは在籍している事務所で税理士として続けていくもの、もう一つは他の資格なども取得して、コンサルティング業や一般企業で働くパターンもあります。僕の場合はこの地域で働きたいので、合格してもこの事務所で働き続けたいと思っています。試験に合格しても勉強したい分野などもあるので勉強を続けながら頑張りたいです。

__ご出身はどちらですか?

部谷:出身は広島です。大学で関東に出てきて、妻の地元だというのもあって、ずっとここで暮らしていきたいと思っています。

__山口さんは、税理士になり、何か変わりましたか?

山口:事務所のパートナー税理士になるにあたっては手続きが色々あったのですが、正直、そんなに、実感はないですね。仕事内容も、税理士業務がすこしずつ増えているだけで、がらっと変わったわけではないので。今、税理士として登録してから一年ちょっと、税理士としての仕事が中心になってきました。
もともとは、独立して自分のペースで仕事がしたいと思って税理士を目指していました。この事務所には、部谷さんを始め、勉強しながら仕事をしている人も何人もいるので、将来、そういうメンバーが育ったら、あとは任せて、ぼちぼちいなくなろうかな〜なんてことも考えてもいます(笑)

__この事務所の特徴などありますか?

山口:会社設立からのお客様が多い点ですね。多くの事務所は、50〜60歳代の税理士の先生で、長い付き合いのお客様が中心です。新規の方は年に2〜3人程度。でも、ここは新規のお客様が月に2〜3人いらっしゃいます。4〜5年かけてお客様の会社がどんどん成長していく姿をみることができるのは、面白いと思います。

部谷:「お客様の質がいいな」とも思います。無理なことを言う方は少ないですね。契約のときにじっくり話していると聞いています。そのため、相性が良い方が残るのかもしれません。

山口:税理士法人ファリスは、初回無料相談のサービスがあるのですが、多いときには僕も月10件くらいの無料相談を担当します。

部谷:あとは、ITというかパソコンに強いお客様が多いです。前にいた事務所は60歳代の税理士先生だったので、古くからのお客様は手書きの方が多く、ITを導入しようとしても上手くいかず苦労しました。この事務所は新規のお客様が多いので、パソコンだとかクラウドだとかに抵抗がある人はほとんどいないです。

__お二人は、はどうして税理士を目指したのですか?

山口:この仕事を始めて17年ですが、飽きないんですね。仕事をはじめても6〜7年間は税理士試験の勉強をしていませんでした。6〜7年仕事していても飽きずにできる仕事だからこそ、税理士の資格をとろうかな……と思いました。8年間勉強して資格をとっても同じ気持ちです。

税制も毎年変わっていきますし、お客様も多種多様です。ルーティンワークの部分もありますが、変化も多いので飽きない仕事です。それに、数字に対しても抵抗がないので、きっと向いているんだろうなと思います。

部谷:僕は、もともと金融業界にいたのですが業界が好きになれず、金融業界に近いもので自分に向いているものを探しました。時間内に効率よく仕事をあげるところにも魅力を感じています。

__最後に、税理士法人ファリスの求人に応募する方へメッセージをお願いします。

部谷:季節ものの仕事もあるので、入社して1年くらいかけて慣れれば、「仕事の勘どころ」をつかめると思います。あとは、新規のお客様の多い事務所なので、「バリバリ仕事がしたい!給料がいっぱい欲しい!」と思ったら沢山仕事をもらうこともできます。一方で、ワークライフバランスを考えて仕事量をおさえることも。

山口:自分のペースで仕事ができる点が魅力だと思います。勉強するにしても、プライベートを大切にするにしても時間はつかいやすい事務所です。

ENTRY

茅ヶ崎市で税理士事務所の仲間になりませんか?
働きながら税理士を目指す、他業種未経験からの転職
子育てしながら、趣味の時間を大切にしながら……
多様なライフスタイルや目標を持つ方を応援する事務所です。

様々な求人募集をしています。